キナバル公園〜ポーリン温泉へ

 1月3日朝、いい天気です。朝食はホテルのレストランでいただくことにしました。レストランに行くと係りの人が室内で食べるか外で食べるか英語で聞いてきます。外で食べることにしました。朝食はバイキング形式で、色んな食べ物があり楽しそうですが、フィジーに行ったときは見た目ほど美味しいものは無かったので期待していませんでした。だけど実際に食べてみると思った以上に美味しい!昨夜、夕食を食べなかったこともあるのですが、けっこうたくさん食べたような気がします。パンもフィジーと違ってとても美味しいかった。
2人で100RMくらい。ただし宿泊料金に含まれているようです。

朝食に向かう長い廊下を歩いていると、SENNSEが黒い塊を拾いました。「カブトムシだ!」日本のカブトムシと同じぐらいの大きさでメスに見えました。でもよーく見て見ると小さな角があります。「やったー!」 小さなケースに入れてホテルで飼っていました。

以前の旅行での経験もあり、問題なく朝食に。地元の料理や焼きたてのパンが並んでいます。デニッシュがとても美味しく何個でも食べられそうなほど。大きなポットに紅茶をもらいミルクをたっぷり入れて(石が出来ないように)飲んでいました。卵料理をその場で作ってくれるコーナーがあったのですが、混んでいたので今日は諦めました。
 
             私の朝食                             妻の朝食

 昨夜の電話などの打ち合わせで、今朝9時にホテルのロビーでレンタカー屋さんと待ち合わせになっていたので、遅れないように向かいました。そこでレンタカーを渡してもらい、まっすぐキナバル公園(世界遺産)に行こうという計画です。キナバル公園は蝶がたくさんいるということで有名で、日本にいるときから是非行ってみたいと思っていた場所です。
 ところがロビーに行くとホテルの人から、レンタカーが渋滞にひっかかり、15分から30分程度遅れるとの事。私達はロビーで待機していましたが、天気が良く、外を見るとなにやら蝶のようなものが飛んでいます。いてもたってもいられず妻をロビーに残したまま、私は一人でカメラを持ち外に出ました。ボルネオではじめての撮影です。
 見られた蝶は当たり前ですが北海道では見た事も無いような蝶、嬉しくて嬉しくて。ところが暖かいせいか蝶の活性が高く警戒心も強いみたいでなかなか近づけません。以前購入した望遠レンズを装着してもそれほど大きく撮影できません。

 ※今後この旅行記に登場する蝶、ほとんど名前がわかりません。確実にわかるものはそのまま書きますが、自信ないものは”?”、全くわからないものはわからないと書いたり勝手にあだ名をつけて(仮名)と表示します。

 蝶を観察してみると、縄張り争いをしているようだったり、花を求めて活発に動き回っていたり。紫系の大きめの蝶はリュウキュウムラサキのように見えますが自信がありません。黄色っぽい蝶はシロチョウ科のようですがさっぱりわかりません。約20分ほど蝶と遊び車が到着するのを待ちました。その間だけでも汗がダラダラ出てきます。暑い。だけどフィジーほどでもないかな??
 
    リュウキュウムラサキみたいな蝶                  この黄色いのはさっぱりわからない。
 
 少しの時間で汗をかき疲れちゃいました。この後のこともあるので妻の待つロビーに戻り、少しするとレンタカー屋さんが来ました。林道を走ることもあると思い4WDを頼んでいましたが、凄いピックアップトラックが来ました。下の写真の車はマツダ、ファイターという車で新車だということ。ディーゼルターボエンジン。
 ディーゼルと言えば遅いイメージがあります。それから久しぶりのマニュアルミッション。帰国までお世話になります。さて、どれだけ泥んこになることやら・・。

レンタカー屋さんと打ち合わせ。彼は英語でなにやら言っています。「クレジットカードは使えません。現金のみです。一度に払わなくても良い・・・」言っていることはわかるのですが、こちらの言っていることが伝わりません。そこでホテルの日本人スタッフ登場!助かりました・・・。
でも日本から予約した時はカードが使えないなんて一言もなかったので、カード払いの予定で現金もそれなりの額しか持ってきていません。7日間で7万円ちょっと。ホテルで両替をするのはレートが悪いので、この場で半額を、残りを最終日に払うことにしました。これから最終日まで財布の中身を見ながらの旅行になってしまいました。

これが借りたレンタカー。なかなかカッコいい!

 車に乗り込み1速に入れ、クラッチを放すとすぐにこの車の凄いトルクが実感できました。これはなかなかいけるぞ!と嬉しくなりました。

 レンタカー屋さんからプレゼントされた地図を妻が見ながら道案内。今日はキナバル国立公園とポーリン温泉という所に行く事が目標です。とりあえず蝶の写真の成果というよりも、無事にたどり着いて、そして帰ってくることが目標。

持ち物は、水、虫捕り網、タオル、虫除けスプレーなど。出発前からSENNSEの帽子は汗でベトベト。
車の中はエアコンが効いていて、私には寒いぐらいです。


 ホテルから出発するとすぐに東南アジア最高峰のキナバル山が見えました。あまり遠い位置にあるようには見えませんでしたが、実際には70〜80kmの距離がありそうです。

 何度か迷子になりながらもキナバル公園目指して進みます。20分ほど進むと峠のような道になりました。

 舗装自体は日本と比べると少し悪いですけど、走行には問題ありません。ただ勾配が凄い。カーブが急など、性能の悪い車には辛そうな道です。実際トラックなどは時速20kmがやっとという感じ。所々登坂車線みたいのがあるので、遅い車はそこで追い抜きます。また、速い車は登坂車線でなくてもどんどん追い越しをかけてきます。いつも後を気にしなくてはならず大変。でも、ここの人たちの良いところは絶対に後からあおったりしないところです。急なカーブが続き、直線の短いところで追い越し出来ない区間が続くと、遅いトラックを先頭にずらりと長蛇の列になります。だけどみんな「仕方ないな」って感じでゆっくり走ります。急勾配に急カーブ、これではトラックは速く走るのは無理だと理解しているのです。こういう精神には感服します。また、遅いトラックの方も抜かせてあげられる場所があれば窓から手を振って「先に行け!」って合図をします。

 遅いのはトラックばかりではなく、オンボロの普通車もいます。よく動いてるなって思うくらいのオンボロ車から、トヨタのサーフとかプラドみたいな最新の車まで、いろんな車が走ってます。だけどみんなそれぞれの車での限界の走りをしています。だから怖い!

 あと、びっくりしたのが道端にやたらと犬がいる。牛もいる。ヤギもいる。鶏もいる。日本では考えられません。そんなこととかロータリーを恐る恐る通過したりしながら車はどんどん標高を上げ、雲の上を走っています。一体どれだけ登ったのだろう?

道路を走るのは自動車ばかり。バイクは街で少し走っていますが自転車は見かけません。道端を歩いている人と動物だけです。
標高が高くなるとペットボトルがパンッと音をたてます。耳も痛くなったりします。


 ホテルは海のすぐ近くなので大体0m。そこからどこまでも登り続けています。後でわかったのですが、キナバル公園入り口で標高1500mだそうです。北海道の国道最高峰は三国峠で1000mか1200m位ですから相当なモンです。

 空気が薄くなり、車の性能もやや落ちていました。
 2時間くらい走りキナバル公園に到着しました。
 ここに入るには2人で30RM(約1000円)払う必要があります。
 お金を払い入場し、駐車場に車を止めて降りると、すごく涼しいことに気付きました。
 やはり標高が高いから気温も低いようです。
 ちょっと歩いたりもしたのですが蝶の姿が全くありません。それに天候も曇ってきていて。

 公園入り口から道路は奥のほうに続いているのですが、車で行っていいのかどうかわかりませんでした。だけど、歩いていても蝶は出てこないし、一体この道路がどこまで続くのかもわからなかったので車に戻り、車で奥のほうに行く事にしました。もし怒られたら知らなかった振りして戻ればいいやって感じです。
 でも実際は車で行っても良かったらしく誰にも怒られませんでした。
 公園入り口から2分ほど奥に進むとレストランとかがありました。

公園の中には、レストランのほかに登山者のためのホテル(ロッジ)があります。ぐるぐると2周ほどして探検です。

 昼食には少し早いと思い、付近を少し車で探検していると、見たことも無い蝶が!!
 慌てて車を降りて撮影。何だこの蝶は??アゲハっぽいけど。
 凄く綺麗な蝶です。大興奮しました。
 (後にキナバルオナガタイマイとわかりました。ボルネオ特産種の主に山地にいる蝶)
 妻は新撰組か赤穂浪士に似ているとか言ってました。
 その後ジャノメみたいな蝶も撮影しました。
 
キナバルオナガタイマイ
 
 ここで昼食にすることにしました。
 公園内のレストラン。小さな博物館も併設されています。
 レストランで席に着き、メニューを見せてもらいました。食べ放題もあるというのですが、今回はメニューから頼もうという事になりました。しかし・・・。
 全部英語。何書いてるかわからない。読めないんです。意味もわからない。
 とりあえず喉が渇いていたのでスプライトを注文。出てきたのはジョッキに入ったスプライト。これで確か100円位。安い!
 料理のほうも安い。じっくりメニューを見て私は意味がわかったチキンカレーを注文。妻はライスヌードルみたいのを頼みました。

函館で年末に食べ過ぎて胃が痛く、つるつるっと食べられる麺を注文したつもりでした。確かに麺なのですが、あんかけ焼きうどん。旅行中注文した麺はすべてあんかけ焼きうどんでした。

 出てきたのが下の写真です。
 
                チキンカレー                             ライスヌードル

ジョッキスプライト

 私の頼んだチキンカレーは見るからに美味しそう!匂いもいい。でも何だか辛そう・・・。
 一口食べてそのやばさに気付きました。
 食べた瞬間、「これはうまい!」でも次の瞬間「から〜っ!」
 凄くおいしい味なのですが、とっても辛いのです。もう唇が真っ赤になるくらいの辛さ。これは食べきるのは大変そうです。
 妻の頼んだヌードルも食べてみました。
 これは本当に美味しい!衝撃的でした。この美味しさ。なんとも心地よい香ばしさ。初体験でした。ボルネオの料理って案外美味しいのかもしれないと思い、今後食事は全部撮影して、帰国後の旅行記(この旅行記)で紹介しようと決めました。これだけ注文して1500円もかからなかったと思います。

チキンカレーは本当に辛い。食べ終わったSENNSEの口はたらこになっていました。
あんかけ麺も塩味のシンプルな味付けなのですが、とてもおいしいです。この時点では、登山者向けのレストランなので外国人向けの味なのかな?と思っていました。


 昼食後、またレストラン付近を探検。ジャングルにも入ってみました。ジャングルと言ってもちゃんと道がついており、普通の靴で歩けます。薄暗いジャングルを歩いているとまたもや見たことの無い蝶を発見!しかし、さすがはジャングル。薄暗くてまともに写真が取れません。ジャングル内での蝶の撮影は仕方ないのでフラッシュも使うことにしました。
 また、ちょっとした草むらにはジャノメが飛んでいます。しかし天気が曇りでやはりたくさんの蝶は見れません。とりあえずこの場所は諦めて、登山口があるほうへ車で進むことにしました。
 
            変な虫                       何だかイナズマって蝶だと思う。
 
     世界最大の花ラフレシア?が咲いていた。            草むらのジャノメ(種類わからん)

 レストラン付近から登山口までは更に登りの道が続きます。大体300mは標高が上がったという感じ。
 途中の展望台みたいなところで車を止め、間近に迫るキナバル山を見ていると、オンボロのルリタテハが遊びに来て私の肩やら帽子やらに止まって汗を吸っていました。思う存分汗を吸わせてあげてから登山口まで行き、そこからは車が入れないので引き返しました。引き返す途中、道路にクワガタみたいのが見えたので車をとめて降りてみると、ひかれて死んだオスのクワガタでした。種類はわかりませんでしたがでっかい真っ黒なクワガタ。もったいない・・。
 ちなみにキナバル公園内は採集禁止です。
 
      展望台からみたキナバル山山頂付近                 遊びに来たボロルリタテハ

 時間もだいぶ使ってしまいました。今日は天候がイマイチでしたが、まだ旅行は始まったばかり。また今度天気のいい日に来ようということで、次にポーリン温泉に向かいました。ここから更に1時間ほど行った場所です。
 このポーリン温泉にはバタフライファームというのがあるという情報を得ていたので、きっとたくさんの蝶が見れるのではないかと考えていました。
 また、この温泉は日本の温泉とは少し違っていて、屋外にたくさん湯船があり、要するに露天風呂なんですけど、公園内に露天風呂がいくつもあって、入るときには水着着用ということでした。
 室内にはプライベート用のお風呂もあって、そこに入るにはお金がかかります。また、屋内のお風呂に入る場合では水着は着けなくていいそうです。(屋外のお風呂写真撮り忘れちゃいました)

たくさんの浴槽やプールも何種類かあります。観光客ばかりではなく、地元の人たちも遊べる施設になっています。

 1時間ほど走りポーリン温泉付近へ。標高はだいぶ下がり多分500mくらいだと思います。
 到着少し前の場所で蝶が飛んでいるところを見つけたので車を止めて撮影しました。
 種類はわかりませんがウラナミシジミの仲間のようです。また他の種類もいましたが活性が高く近寄らせてもらえませんでした。
 下の写真(右)のように、道路にはいつも犬がいます。この道路は主要道路ではなく、交通量も少ないので、車が犬をよけて進んでいくという感じです。ちなみに犬の後ろ側に見える黒い塊は牛のウンコ。
 
        ポーリン温泉直前の道で。                     我が物顔で道路の真ん中にいるワンコ。

 ポーリン温泉に到着し、入り口にいる係りの人に話しかけると2人で30RM必要との事。お金を払いチケットをもらうと、さきほどキナバル公園でもらったチケットと同じ。後でわかったのですが、キナバル公園とポーリン温泉は共通のチケットで入場できるようです。もう夕方近くになっており、また天気も曇りのため、蝶にはあまり出会えませんでしたが、日本で言うイチモンジチョウみたいな蝶(チャイロイチモンジ)やわからんキチョウなどを撮影できました。
 とりあえずバタフライファームに向かったのですが、閉園20分前位の時間になっていたので今日は諦め、また今度来ることにしました。
 ポーリン温泉では温泉だけではなくバタフライファームやキャノピーウォーク(地上50mくらいのジャングルの樹上に細いつり橋のようなものがかかっており、そこを歩きながら植物などを観察する場所)、レストランなどもあるので、今度は一日かけて遊びに来る計画にし、ホテルに戻ることにしました。ホテルまでは2時間くらいかかります。
 
         チャイロイチモンジ                        全くわからんボルネオのトンボ

 ボルネオの道路では下の写真のようにトラックの荷台に人間が乗っている姿をよーく目にします。ちょっと危ないような気もするんですけどね。あと驚いたのが、ボルネオの車って、曲がる時とかほとんどウインカーを出しません。例えは交差点で右折する時、日本なら右折レーンに入って右にウインカー出して曲がりますが、ここでは右折レーンには入っても絶対ウインカーを出さずに曲がっていきます。
 しかし、考えてみると右折レーンに入ったら右に曲がるに決まってるんだから、右にウインカー出さないということは合理的ではあります。左折でも同じ。でも右折や左折のレーンが無くてもウインカー出さない車がほとんどだったように思います。私もこの国の慣習に倣って、ウインカーを出さずに曲がることにしました。

 車で走っていると山の斜面にたくさんの家が見えます。こんなところにまで家を作って住むんですね。日本では考えにくい事です。
 
     道端のヤギの群れ(飼われているみたい)                    斜面の住宅

荷台には人が積まれている。
こんな光景たくさんあった。

 ちょっと迷子になりながらもホテル近くまで戻りました。途中、夕焼けが凄くきれいだったので撮影。何で南国の夕日って綺麗なんでしょう。燃えるような深い赤です。

 ようやくホテルに戻り夕食を食べることにしました。今夜はホテルで夕食。地元料理を屋台風で食べさせてくれるところに行きました。ジュース別で食べ放題。ただし2人で238RM(約7400円)さすがにホテルのご飯は高い!
 だけど、これがすごく美味しかった。例えば目の前に並んでいる野菜を好きなだけ取り、係りの人に渡すと野菜炒めにしてくれたり、地元では有名なサテという焼き鳥みたいな料理など、たくさんの料理やフルーツが食べ放題!妻と2人でお腹一杯食べました。

野菜がたくさん並んでいてサラダバーと思っていたのですが、生のブロッコリーやヤングコーンが。サラダ?と思っていたら横に「ガーリック・オイスターソース・シュリンプソース」と書かれています。お兄さんが目の前で料理してくれます。このガーリック炒めが美味しくて2人でおかわりに行きました。また食べに来たいとねだったのですが、高いという事で却下されました。何を食べても美味しくて、「マレーシアは美味い!」と確信しました。

 また、生バンド演奏つき。自分達の目の前でバンドマンが歌ってくれました。
 
        チキンスープのラーメン。              北京ダックとか。奥の焼き鳥みたいのはサテ。
 
           生バンドの演奏。                奥が野菜炒め、手前がチャーハンとか豆腐料理。
 
    溶けたチョコレートタワーにマシュマロをつけて。          マンゴー&ストロベリーアイス。絶品!

 お腹一杯食べすぎ部屋に戻りました。部屋のテレビでは何故かNHKの衛星放送がやっていて、ボルネオにいながらにして日本の情報が手に入ります。大雪が降ったとか事件とか。ただ、時差が1時間あるので、ボルネオ時間で9時に10時のニュースが放映されます。生放送だから。

部屋でNHKを見ていると外国にいる感じがしません。朝の連続ドラマも見たし、大河ドラマ、日曜昼のNHKのど自慢を11時から見ていました。もちろん帯広の天気予報も。

 車の走行距離がけっこういったので疲れました。明日もキナバル公園に行きたかったですが、実は明日の午後2時からホテル裏のジャングルでオランウータンの観察会の予約を入れていたので、明日はとりあえず午前中コタキナバルの街に行こうということにし、寝ました。

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