初めての蝶、バタフライガーデン再び
(1月7日午後)

 モンテベルデ自然保護区ガイドツアーからホテルに戻りました。ガイドツアーでは厚い雲に雨でしたが、ホテルではまた天気雨です。しかし、風は強いものの、雨がだんだん小降りになってきました。

 ガイドツアーでは寒かったのですが、ホテルのところでは小雨ではあっても陽が差しているとけっこう暑く感じます。なんとか雨が止んでくれないかと思っていると、時々雨が止む感じの天気になってきました。

 部屋のベランダから外を見ていたときです。一頭のシジミチョウと思われる蝶がヒラヒラ飛んできて、ベランダのすぐ近くの葉っぱに止まりました。

 慌ててカメラを持ってきて撮影しようと思ったのですが、レンズを付け替えたりしているうちに逃げられてしまいました。この旅が始まって最初の野生の蝶撮影のチャンスだったのでがっかりしましたが、この蝶、すぐに戻ってきてまた同じ葉っぱに止まりました。

 今度こそ逃げられないように近づき、シャッターを切りました。「やった!」

 10枚ほど撮影したところで飛んでいってしまいましたが、とても嬉しかったです。しかし、画像を確認してみると白トビしていて残念な写真が多く、一番良く撮れていたもので下の写真です。水色にピカピカ光っていました。

この旅始まって以来の自然の蝶
(トリミング)

 これで俄然やる気が出てきました。ホテルの敷地内は広く、山の片側を全部ホテルにしているような感じです。客室がある建物も何棟もあり、今自分がいる建物よりも上のほうにもたくさんの建物やプールなどがあります。
 そこで、雨も上がってきたみたいだし、妻とカメラを持ってホテルの敷地内を歩いてみることにしました。

 私たちは一番下の棟に滞在していましたが、山のほうではキャノピーツアーやナイトウォークもやっているし、スパや別のレストランもあるようです。天気が悪かったので今まで上に行くことはありませんでした。

 相変わらず風は強いのですが、その風は山の向こうから吹き降ろしてくる感じで、逆に言えば風の陰になっている所もありそうな感じです。とりあえず自分たちの部屋から坂を上って上のほうに行ってみました。

 急な坂道を登ります。敷地内にはシャトルバスが走っていて、フロントに電話すると迎えに来てくれます。

 歩き出してすぐに蝶を発見!私たちが泊まっている建物とは別の建物ですが、客室1階のベランダみたいなところでその蝶は止まってくれました。宿泊客がいれば怒られそうな気もしましたが、運よく誰もいないみたいなので、ズカズカ入り込んで撮影しました。

 ここまで雨に悩まされてきたので、自然の蝶の写真を撮れた嬉しさはいつもよりも大きく、とてもとても嬉しい気持ちです

黒と白と赤の蝶

 風が強くて撮影は大変でしたが、日差しが暖かく最高です。
 この場所では他に蝶が見られなかったので、さらに坂の上のほうにあがっていきました。
 歩いていると、鶏を飼っているような場所とかもありました。

 庭仕事をしていたり、バスを洗っていたり、宿泊者より働いている人に出会いました。

飼われている鶏。食べられるのかな?

 坂はけっこう急で息が切れます。それでもどんどん上っていきました。黄色い蝶が見えたので追いかけたのですが逃げられたりもしました。
 かなり上っていったと思いますが、ちょっと風の陰になるような場所にたどり着きました。あたりを見回すと1頭の蝶を見つけました。ただ、アングルが悪くてよい写真にはなりませんでした。それでも自然の蝶を見れて満足です。

自分の真上にいて撮りづらかったけど、台湾やタイにいたキミスジに似ていた

 更に少し上っていくと、今度は見晴らしがいい所に出ました。遠くが良く見えます。

 遠くに海(湾)が見えます。

 ちなみに、ホテルの位置関係は下の地図のようになります。私たちが泊まっていたのは下のほう、今いる場所は上の矢印の所。標高にして50m、距離で400m前後という感覚です。(実際はわかりません)
 この見晴らしが良い場所の反対側は山になっていて、道路から少し入ったところに花がたくさん咲いていて、しかも風の陰になっているような場所がありました。
 これは蝶がいそうだ!と思ったので、少し険しかったのですが、入っていきました。そしたら案の定、けっこうたくさんの蝶が飛んでいて撮影することが出来ました。もう楽しくて楽しくて。
 見晴らしのいい場所に妻を置いてきてしまったのですが、そんなことも忘れて蝶を観察したり撮影したりしました。
 (この下の蝶の写真、トリミングしています)

ジャノメっぽい飛び方してた

さっきも撮った黒と赤と白の蝶

黒白赤が2,3頭、いつもこのあたりを飛んでいた

これは黒っぽいけどシロチョウ科じゃないかなぁ?

セセリ

クロブチオレンジチョウ(仮名)

 ここにいると風はあまり吹かないのですがやっぱり時々霧雨が降ってきます。もっとここにいたかったし、すごい速さで緑色の蝶が時々飛んでいたのでなんとか写真を撮りたかったんだけど、妻を置いてきたことを思い出し、しかも、ここで30分位蝶の撮影をしているかもしれないので、一旦見晴らしの良い場所に戻りました。
 妻もビデオカメラや小さいカメラで何か撮影していました。

 夫を待っている間、ベンチに座って景色を見ていましたが、「ピーピー」という鳥の声がします。よ〜く見てみると写真の赤い花にハチドリが蜜を吸っています。蝶も何頭か見ることが出来ました。

見晴らしの良いところで妻が撮影した花

見晴らしの良いところで妻が撮影した蝶
(動画からトリミングして切り抜き)

 妻のところに戻ると、また少し快晴の霧雨みたくなってきました。降ったり止んだりを繰り返しているようです。どうも風向きによって霧雨が降るか降らないかが決まってきているようです。このままもう少し坂道を上って行きたい気持ちもあったのですが、お昼ご飯も食べていないし、一旦部屋に戻ってお昼ごはんを食べてからこの後の予定を決めることにしました。

 歩いていると、シャトルバスが通りかかりました。止まってくれたのでバスに乗って私たちが滞在している棟まで移動しました。

 お昼ごはんはホテルのレストランで食べようか、それともホテルの敷地から出ると何件かレストランのような場所があるので、そこで食べてみるかという2つの選択があります。そこで、今回はホテルの敷地から出て食べてみようということになりました。

 ホテルから出て、ほんの少し歩いた場所にレストランが2件ほどありました。どちらかのレストランに入ろうと思ったのですが、人が入っているほうがいいねと言うことになり、人のいるレストランに入りました。女の人がいて、てっきり客の人だと思ったのですが、レストランの店員でした。

 二人でランチをしたいのですが、いいですかと聞くと、女の人は「オフコース!」と歓迎してくれました。

 ちょっと洒落たレストランですが、絵や彫刻がたくさん飾っていて、それらも売っているようです。何点もの絵が飾られていますが、どの絵を見てもものすごい下手な絵です。小学生の絵みたいな感じ。わざとこういう作風にしているのかもしれないですが、これなら誰でも描けます。この辺の人たちはこんな絵を良いと思うのかな?と不思議で、「これなら俺の絵なんてもの凄くうまい絵だ」と偉そうなことを妻に言いました。

 暗い絵が飾ってあります。黒い背景で、子供のイエスが物陰からこちらを覗いている薄気味悪い絵です。

 最初、飲み物を頼んで、ランチのメニューはサンドイッチとハンバーガーです。

 アメリカでもそうだったのですが、コスタリカにおいても「たかがハンバーガー」がけっこうな値段です。でもけっこうな値段には理由があります。ただハンバーガーを頼んでも、それ自体が凄い大きいし、いろんなものが付いてくるのです。サラダとかポテトの料理とか。
 今回も凄かったです。

 私が頼んだフォッカチャはチキンマヨがたっぷり挟まっていました。濃い味だったので生野菜を挟んで食べました。この野菜のためにオリーブオイル・ビネガー・ガーリックオイル・イタリアンドレッシングなど10種類ぐらいの調味料が並びました。
 3切れ食べて満腹です。残りは夫に食べてもらいました。

 

妻が頼んだサンドイッチ

私が頼んだハンバーガー

 一体どうやって食べたらいいのかわからないくらい大きなハンバーガーでしたが、気取って上品に食べても仕方ないと思い、思いっきりかぶりつきました。
 味は日本人好みだと思います。お肉も柔らかく、今まで食べたハンバーガーの中で一番美味しいハンバーガーだと感じました。
 
 飲み物と食事で16,238コロン。これには16%の税金と10%のサービス料が入っています。

 そしてこの時点でもう2時くらいになっていました。

 さて、この後どうしようか。夕方の7時位からはナイトウォーキングがあるのですが、それまでは自由時間です。天気は晴れていますが、相変わらず時々天気雨の霧雨が降ってきます。

 またどこかに蝶を探しに行ってもいいのですが、もうすぐ夕方になってくるし、蝶を探す時間もかかります。さっきのホテルの上のほうに行ってもいいかもしれないんだけど、行くだけでかなり疲れそうです。
 そこで、昨日行ったバタフライガーデンにもう一度行ってみることにしました。今日は昨日よりも天気がいいから、飼育されている室内でなくても蝶が見れるかも知れないと思って。

 レストランで支払いを済ませてバタフライガーデンに向かおうと思ったときに妻が「鳥撮らないの?」と突然言い出しました。
 
 何で鳥?と思ったのですが、「ほれ、そこにいるでしょ」と言われ見てみると、自分の目の前に小鳥がいました。

 「わぁ」とびっくりして、撮影することにしました。一眼レフに300mmレンズを付けていたのですが、最低撮影距離よりも小鳥が近くて、少し後ずさりして撮影しました。

目の前にいた小鳥。スズメに似ているんだけど、スズメより悪そうな顔してた(ノートリミング)

 小鳥を数枚撮影してバタフライガーデンに向かいました。昨日と同じ道で、けっこうな下りです。帰りは逆に上りになるのでそのことを考えるとちょっと嫌になります。

 風が強くて強くて、凄い風の音がします。もう暴風です。

 テクテク歩いてバタフライガーデンの近くまで来ました。バタフライガーデンに入る前に蝶が1頭いて撮影することができました。

触覚がセセリっぽいけど

 今日も二人で20ドルだけど、蝶が見れるからまぁいいかと思って、バタフライガーデンの入り口のドアを開けて中に入ると、そこには昨日私たちをガイドしてくれたバトンがいました。

 バトンは私を覚えていてくれて、笑顔で「やぁ!」と言ってくれました。

 ※コスタリカではフレンドリーに挨拶するときに「オラ!」と言います。「やぁ!」と言うのは和訳で、実際には「オラ!」と言ったのです。英語では「ハイ!」でフィジーでは「ブラ!」に該当する言葉です。コスタリカでは例えば買い物をしてレジの人ととか、レストランに入って係りの人と話をする前など、いつも「オラ!」って挨拶します。

 私は「昨日来たけど、トライ アゲイン!」と言いました。
 また、「今日はチョウチョ眠ってる?」と聞くと、バトンは「今日はみんな起きてるよ」って言いました。

 バトンは「昨日二人とも来てくれて、その時お金を払ってもらったから、今日はタダでいいよ!」って言ってくれました。

 20ドル浮いたことよりも、そう言ってくれたバトンの気持ちが嬉しかったです。

 バトンは他のお客さんのガイドがあるので、私たちは自由行動でバタフライガーデンを歩きました。

バトン。とても感じが良くてカッコいい
「こんなカッコいい蝶好きもいるんだね」って妻に言いました。
昨日、ガイドをしてくれている時にデジタルビデオカメラで撮影
説明しているのは羽が透けている蝶

 バトンに感謝しつつ、バタフライガーデンを歩きましたが、とにかく風が強くて蝶が飛んでいません。そこで仕方なくモルフォチョウやいろんな蝶が飼育されている室内に入りました。

モルフォ雄

オレンジホソバ(仮名)

ウシロチャバネシロテン(仮名)

アカオビアゲハ(仮名)

 バタフライガーデンを一周して、その後モルフォの青い輝きを撮影したいと思い、もう一度モルフォのいる室内に行きました。すると、昨日受付にいた太ったお姉さんが私たちのところに来ました。一生懸命なにか言っています。でも何を言っているかさっぱりわかりません。

 「ペイ」とか言っていたので、多分お金は払ったのか?と聞いているような気がします。だから、バトンがタダでいいって言ってくれたんだよという様なことを英語で言いました。

 お姉さんは「スペイン語は?」と聞くので、「ノー」と答え、今度は「英語は?」と聞くので「リトル」って答えました。

 何か文句を言いたいようです。でもこっちは意味がわかりません。意味がわからないってけっこう便利です。

 写真やビデオはガイドと一緒じゃないとダメというような事を言っていました。

 なんとか理解しようと思ったのですが、よくわからなかったので、「はい、じゃぁもう帰りますから!」と言ってお姉さんに手を振ってバタフライガーデンを後にしました。本当は最後にもう一度バトンにお礼を言って帰りたかったんだけど、バトンもガイドをしていてどこにいるかわからないので、そのまま帰ってきました。少し心残りです。もしもう一度コスタリカに行くことがあったら、またモンテベルデのバタフライガーデンに来て、バトンに会いたいなぁと思いました。

 ありがとう!バトン!!

 帰り道はきつい上り坂と暴風で大変でした。

 ホテルの部屋に戻り、妻は少し疲れたのか昼寝をしだしました。ナイトウォークまではまだしばらく時間もあるし、自分はベランダの窓を開けて、ゆらゆら揺れる椅子に座って外を眺めていました。ここまでの雨を呪いながら。

 朝も早起きをして、森を歩き、ホテルの敷地で坂道をテクテク登り、バタフライガーデンまでも坂道を登り、けっこう疲れていました。「ちょっと休むね」ってベッドの上で昼寝をしました。

 そしたら、急に一頭の猫が現れました。綺麗な感じで可愛い猫です。猫は私を、私は猫をじーっと見て見つめあいました。
 少しして猫が部屋の中に入ってきました。ひざの上に乗るように促してみると、ひざの上にピョンと飛び乗りました。でもすぐにひざから降りました。

 猫は妻の寝ているベットのほうに行きました。さすがにベットに上がられるのは困るので、もしベットにあがったらなんとか追い出そうと思ったのですが、猫はベットの下で寝転んだり股をなめたり、眠そうな顔をしたり、リラックスしているようでした。部屋の中のいろんな所も歩き回りましたが、悪さをする事も無くとてもおとなしい猫でした。猫を見ているうちに自分もウトウトしてきました。そして、少しの間眠っていたようです。
 ふと目が覚めました。「あ、少し寝たな」と思ったのですが、猫を探しました。猫はまだ部屋の中にいました。

 しばらくして猫はベランダの窓から出たところでまた寝転んでしばらくウダウダしていましたが、そのうちどこかにいってしまいました。

突然現れた猫

 そうこうしているうちに夕日になってきました。コスタリカの夕日は思ったほど赤くはなりません。ボルネオやタイ、フィジーの夕日はかなり赤かったんだけど。

夕日その1

夕日その2

夕日その3(太陽が沈みきった直後)

 夕焼けを見てだらだらしていましたが、そのうち妻がようやく目覚めました。けっこう寝ていたみたいです。妻がベットから降りて少ししたとき、いきなり「あれっ?」と言いました。なんかびっくりして焦っているような感じです。

 なんと、ナイトツアーの集合時間を間違えたそうです。夜の7時15分に集合だと思い込んでいたのですが、本当は5時15分。
 今の時間がもう5時45分。
 
 ツアーの集合時間が17時と書いてあったのを、夜の7時だと勘違いしていたそうです。
 妻はしきりに私に謝っています。でも、私自身も妻の言うことを鵜呑みにして時間を確認していなかったので、私も悪いんです。
 「何やってんだよ!」って怒られると思った。と妻は言いましたが、私としては怒る気など全くありません。

 妻はゴジツアーの川久保さんに電話していました。

 「ナイトツアーの集合時間にロビーにいきませんでした!」と。川久保さんはツアーの会社に確認してくれたのですが、最終の夜7時のツアーは誰もいなく、4人集まらないと実施できないので、2人分の50ドルを支払うと参加することができます、と連絡をくれました。二人だけで参加してもガイドさんの英語がわからず、気まずい雰囲気になりそうなので、キャンセルすることにしました。
 ホテルまで迎えにくるんだから、時間に来なかったら部屋に電話1本くれればいいのに!と思ってしまいました。


 結局ナイトウォークツアーには行かないことにしてツアー代金も戻ってこないので、結果的にはお金を捨てたことになりました。
 しかし、今日は朝から雨の中、森の中を歩いたし、昼からも蝶の撮影でホテルの上のほうまで歩いたり、バタフライガーデンまで徒歩で行ったりと、けっこう疲れました。ナイトウォークはせっかくの経験だから参加したい気持ちはあったけど、今日はこれくらいにして休みたいという気持ちもありました。霧とか雨の中歩いてもそんなに楽しくないかもしれないし、この旅では後半にもう一度ナイトツアーに行く予定がありますので。

 それから、今夜の夕食をどうするか話し合いましたが、私も妻もお昼ご飯が凄い多かったのと食べた時間が遅かったのでそれほどお腹もすいておらず、今日の夕食は抜きにすることにして早めに寝ることにしました。

 明日の朝、このモンテベルデのホテル、エル・エスタブロを後にして、アレナルと言う地方にジープ&ボートで向かいます。

 ここモンテベルデでは本当に雨と風にやられて楽しむことが出来ませんでした。

 ここはけっこう標高も高い感じで、明日行くアレナルはもっと低いかもしれません。ここで降り続いた雨は標高が高いから降っていて、もっと標高が低いところに降っていく過程で蒸発するだろうから、きっと明日からはいい天気で(乾季だし)旅が出来るだろうと期待して眠りに付きました。

 夫は7時ごろお夕寝のはずが朝まで寝てしまいました。残された私は、ポテトチップを食べながら荷造りをしました。

 雨さえ降らず、天気がよければモンテベルデもかなり楽しかったと思います。でも、天気のせいで10%も楽しめなかったのではないかなぁ〜。ああ悔しい。
 

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