サンホセへ移動、蝶の撮影
(1月12日午前)
 昨日ゴジツアーの川久保さんに連絡が取れなかったので、今日の予定について電話をすることにしました。
 昨夜から夫は、「レインフォレストへのツアーに行きたくない」「最後の1日なのでとにかく蝶を撮影したい」の二点を言っていました。自分では電話したくないと言うので、まだ夫が寝ている時間(7時前)に電話を掛けに行きました。
 今回は1回でつながりました。
 川久保さんはもう仕事先(外出先)らしく、要望を伝え、加瀬さんが天気が良くて蝶を撮影できる所を探してくれることになりました。中止になったナイトツアーの代替ツアーも雨のため結局中止になったようです。

 部屋から朝食へ向かう途中、クチバシのやたらとでかい鳥がいました。よくこんなでかくて重そうなクチバシでバランスをとって立っていられるなぁと思ったのと、首は大丈夫なのか?と心配になりました。尾の重さが頭くらい無いとバランス的に足に重心がこないんじゃないかな??(帰国してから知ったけど、サイチョウっていう鳥の仲間のようです)

 今朝の朝食

 フロントには、電話があったらレストランにいるということを伝えて食事に行きました。
 この時の朝食は、天気のことで頭がいっぱいであまり覚えていません。

 食事中に川久保さんから連絡がありました。「サンホセは曇って風が強いけれど、太平洋側は青空がでているので、とりあえずサンホセに向かって運転してください」と言うことでした。この件では、川久保さんを困らせたと思います。私自身、電話は繋がらない、夫は不機嫌で泣きそうになっていました。


 晴れていたらレインフォレストの空中ゴンドラも楽しみだったと思うんだけど、この天気じゃぁ行く気になりません。キャンセルして良かった。もう雨にはうんざりです。

 とりあえずサンホセに戻るという事になりましたので、ホテルをチェックアウトしてレンタカーで向かいました。相変わらずの雨ですが、なんとか晴れて欲しいと願いつつ。

 走っていると、トラックが道から落ちていました。ドライバー等は無事だったようです。旅のはじめにサンホセの街で車屋さんが多いので、その事を加瀬さんに聞いたことを思い出しました。加瀬さんは「コスタリカで走っている車はすぐに壊れるから」と言っていたのですが、この旅でたくさん車に乗って、たくさんの道を走って思ったことは、車が壊れるんじゃなくて、車を壊しているんだと言う事です。アクセル全開で走る車に何度も遭遇したし、無理な追い越しも凄いです。目の前がカーブでも追い越します。追い越す車にパワーがあればすぐに追い越しも終わるけど、ディーゼルのワンボックスなんて、全開でもそれほどスピードが出ないから追い越すのに時間がかかるのに。それでも追い越しをかけるんです。
 コスタリカは日本の十倍くらい死亡事故の確率が高いと加瀬さんが言っていたのも納得です。

道路脇に落ちたトラック

 更に走ると目の前にバナナを満載したトラックが。この旅で何度もバナナを食べるチャンスがあったけど、ほとんど食べませんでした。食事に出てくるバナナは全く甘くなくて、まるでイモを食べているようでした。

 朝食に出ていた焼きバナナが気に入り、毎回食べていました。美味しかったです。私の方がコスタリカの食事が向いているのかもしれません。帰国した今でも、あの豆ご飯が食べたいです。

 かなりの距離を走ったような気がします。いつの間にか峠のような感じになっていました。けっこう坂がきついんだけど、上り坂は登坂斜線のような感じになっていて、レースをしているみたいでした。感覚的にはかなり標高が高いように思っていましたが、どうも主要な道路のひとつらしく、交通量が多いです。対向車には日本では見られないような大きなトラック(コンボイ?)がたくさん走っていました。雨が凄くて道路脇の崖が滝のようになっている場所がいくつもありました。

 一向に晴れ間が見えません。本当に青空があるのか不安です。

 いかにも自然の中を走り抜けるという感じの峠です。もし晴れていたらたくさん蝶が見れるんだろうけど・・・。
 この旅で何度「もし晴れていたらたくさん蝶が見れそうだ」と思ったことか。

 峠を越えたような感じがしました。下りが多くなってきたのですが、たいして下らないのに街のような感じになってきました。そして雲が切れ始め、青空が見えてきました。このまま順調に晴れて欲しい!!

 だんだん街が近づいてきました。交通量も増えてきて交差点も。信号も増えてきて、サンホセの街が近いんだなと思いました。交差点ではかなり緊張しました。やっぱり右側通行は難しいです。また風が強くて信号がブランブランしています。たくさん信号があるときにはどれを見たらいいのかかと、風で信号がクルクル回っていないのか心配でした。

 とりあえずホテルまで来ることができました。ちょうどサンホセの中心部を通らずに到着できる位置にありました。多分サンホセの中心部を通るルートだと危ないから、ゴジツアーズの川久保さんが配慮してホテルを決めてくれたんだと思います。コスタリカに来て1泊目のホテルと同じホテルです。

 妻が川久保さんに電話しました。

 サンホセから東の方向(太平洋)に向かって行くように言われ、地図を見ながら「OROTINA」という所を目指しました。途中で良いところがあれば、そこで蝶を探すつもりです。

 そういうわけで、晴れている可能性が強い方向に向かって車を進めました。交通量が多いのと、一方通行が多いのでかなり怖かったです。交差点に進入するときや大きな道路に合流するときなど、どこを見たら安全が確認できるのか自信がなくて。しょうがないので自分の周囲360度全部確認してました。

 走っていくと飛行場が見えてきました。私たちが降り立った飛行場です。その時はホテルまで送迎してもらいましたが、今は自分で運転しているんだなぁとわかりました。よく運転していると自分を褒めながら運転しました。
 

 今回の旅で私たちが使っているビデオカメラはソニーのHDR−XR520というモデルなのですが、今流行の顔認証機能が付いています。そしてビデオ撮影中に顔を認証し、しかもその顔が笑顔なら勝手に静止画像も作ってくれるのですが、車を走らせながら看板を撮っていたら見事に笑顔と判断して静止画で保存されていました。
 この看板は何回か見たのですが、妻は「インチキくさい笑顔だね〜」と言って笑っていました。私もそう思います。実際は誰なのかもわからないのですが。

 飛行場を越え更に車を進めます。ナビが示す通りに進んでいきましたが、だんだん街外れのような感じになってきて、それまで走っていた大きな道路からちょっと狭い道路に曲がりました。そして更に進むとグニャグニャの道になりました。このころはもう快晴になっていて、どこで蝶の撮影をしようかと考えていたのですが、このグニャグニャの道はきつい下りになっていて、下りきったところに川が流れていました。そしてその川を越える橋を渡ったところで、川に沿ったような砂利道があったので、とりあえずここで降りて蝶の撮影をしてみる事になりました。荷物が全部車に入っていて盗まれるかもという不安が少しありましたが。あまり人も来そうに無いので大丈夫と判断しました。

 車から降りるまでの間でもたくさんの蝶が見れたのですが、実際に降りてみるとかなりの数の蝶が飛んでいました。「これを見にコスタリカに来たんだよ!」と思いました。
 日差しが強くて暑いので、ランニングシャツ1枚になって、カメラを持って歩きました。完全に「山下清」の裸の大将みたくなっていましたが、仮に誰かに見られても「あ、裸の大将みたいな奴がいる」とは思われないでしょうから安心してランニングで撮影しました。

 夫は大喜びですが、ゴミだらけで異臭もします。道路には骨も転がっていて、あまり良い気分の所ではありませんでした。大きな道路にはたくさんの車が走っていますが、こちらにはまったく来ません。坂を登って行くとレンタカーが見えなくなり、車ごと盗まれるんじゃないかと心配で車の周りで、ビデオでの蝶を撮影していました。

 夫は上に登ったきり戻ってきません。せっかくの晴天なので思う存分撮影させてあげたいと思いました。
姿は♪野に咲く〜花のよう〜に〜♪です。


 たくさん蝶が飛んでいて活発に飛び回っています。花に止まったりするのですが、風が強くてピントを合わせるのに苦労しました。これまで行ったバタフライガーデンでは見られなかった種類の蝶がたくさんいて興奮しました。

 実際に撮影しているときには気付かなかったのですが、帰国後写真を整理してみると、ここではセセリが多かったようです。

シロチョウの仲間と思います。

この種類の蝶は花に止まるとやたらと触覚を曲げていました。

エスパニョールタテハモドキ(仮)

セセリのわりには腹がスマート
そのせいで頭でっかちに見えます。
このての色のセセリは日本でも見られそうですが

シロセセリ(仮)
最初セセリとは思いませんでしたが、顔はセセリですよね。
白いセセリなんて自分の常識にはなかったので、
セセリとわかるまで少しかかりました。
こんなシジミも日本にいそう。
ツバメシジミに似てるかな?

ヒョウモンモドキみたいな模様

 撮影していると、羽の形が凄く変な蝶が飛んでいました。最初見たときにセセリの仲間かと思いました。この蝶、飛び立っては同じ花のつぼみに止まり、また飛んでは同じ場所に戻るという行動を繰り返しています。それで、カメラのレンズを広角レンズに変えて撮影してみました。この旅のために広角レンズを購入していたのですが、雨で蝶の撮影ができず、いつもホテルの部屋を撮影したり景色を撮影したりするのに広角レンズを使っていました。
 なかなか蝶の撮影に使うチャンスが無かったので嬉しかったです。

羽の形が面白い(広角レンズ10mm)

そのセセリを今度はマクロで撮影。この尾状突起は凄い

植物の種?に止まるセセリ。
こんなセセリも北海道で見れそうな・・。
地味です。

このセセリはチャマダラセセリみたいでした。

 1時間くらいは蝶の撮影をしたでしょうか。暑くて汗だくになりました。でも、これをしにコスタリカに来たようなものですから楽しい!風が相変わらず強くて撮影は大変です。見かけた蝶のうち、撮影できなかった種類もたくさんありました。

 妻を引き離して自分だけで撮影していたのですが、撮影できそうな蝶は撮影しました。一度、車の近くにいる妻のほうに戻る事にしました。ポイントを変えようかなと思って。

 すると妻は、この近くにバタフライガーデンがあると教えてくれました。この旅行に、もしも明日以降があれば、今日のこの先の行動を選択するにはいろいろ考えられます。しかし、私たちは明日の朝には飛行場へ行かなければなりません。
 そう考えると、これからどうするか凄く悩みました。

 ポイントを変えて蝶の撮影をしようとする場合、もしかしたら良いポイントが見つけられないかもしれません。もし良さそうなポイントがあったとしても、見られる蝶の種類はそれほど増えない可能性もあります。風が強くてうまく撮影できないかもしれません。明日があれば別にそれでもいいのですが、リスクを考えるとバタフライガーデンに行って、自然ではないけどたくさんの蝶を見たほうがいいか・・・。

 けっこう悩んだのですが、結局バタフライガーデンに行く事にしました。バタフライガーデンの周辺でも撮影できるかもしれないし。

 コスタリカの旅で自由に動ける最後の日にようやく晴れてくれて、それは良かったのですが明日が無いというのが悔しすぎます。本当は新しいポイントを探したかったんだけど・・・。

 カーナビをバタフライガーデンにセットし直してこの場所を後にしました。

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