台湾2日目昼間偏 
候さんとの出会い、牛伯伯胡蝶生態園、亀山

 
 台湾2日目の朝。少し早く目が覚めました。部屋のベランダから外に出るととてもいい天気です。ほどなくして妻も起きて朝食を食べに行きました。朝食はホテルのバイキングです。しかし食べたいものが見つからない・・・。結局ほんの少しだけ食べました。
 このツアーは4日間の朝食付きでしたが、2度とホテルの朝食を食べに来る事はありませんでした。
私の朝食 妻の朝食

朝食よりもこっちの方が気になる。変な日本語。
日本人客多いんだから、このくらいちゃんとしろよな!

 あまり美味しくない朝食を食べて一旦部屋に戻り、出発の準備をしました。
 デジカメ持って、IXY持って、デジタルビデオカメラ持って、あとは妻にお任せ。


 さて、それじゃぁ候さんに電話して部屋を出ますか。と思って部屋から外線をかけたんだけど、全然通じません。変だなぁ〜。何回かけても通じない。時間はもう8時。いつまでもこんな事してられないので、ホテルのフロントに電話番号を書いた紙を渡して候さんに電話してもらうことにしました。

 しかしその時ある事に気付きました。電話番号が二つ書いてある。何で??
 Fieldさんがパソコンのメールで候さんの電話番号を教えてくれたのでそれを印刷して持ってきたのですが、その文面には、

 台北市外から電話する場合  0123-45-6789
 台北市内から電話する場合      45-6879

 と言うような感じで電話番号が書かれていました。よーく見てください。番号が若干違います。一体どちらが本物の候さんの電話番号なんだ??そして、昨日公衆電話から候さんに電話した時にはどちらの番号を見て電話をかけたんだろう??

 ホテルのフロントの人にメモを渡した瞬間にこの事に気付いたのですが、もう遅いと思って、そのまま紙を渡して電話してもらいました。もし間違った方電話番号にかけて間違い電話になってしまったら、その反対の電話番号でもう一度かけてもらおうと。

 でも運良く一発で候さんに電話が通じました。
 「おはようございます。これからホテルを出るのでよろしくお願いします」と言いました。候さんも

 「それではあなたたちはあと45分くらいで待ち合わせの場所に着くと思うから待ってます、地下鉄間違えないようにしてください」と言いました。

 この瞬間、またもや私は大きな間違いに気付きました。
 候さんと昨日電話した内容では

 「8時にホテルを出るから、その時にまた電話する」

という約束でした。
 確かに私の腕時計はちょうど8時になっています。しかし、しかしです。時差を計算して時計を台湾の時間に直していなかったのです。
 と、いうことは・・・・。

 今は日本では8時だけど、台湾ではまだ7時。

 7時!???

 あっちゃー、やっちゃったよ!と、言う事は朝ごはんも6時に食べていたのか。

 候さんも電話で「おかしいなぁ〜」と思ったはず。でも何も言いませんでしたので、もうしょうがないと思い、「ではよろしくお願いします」と言い電話を切りました。やばいよ。

 妻はまだホテルの部屋にいて、電話が終わった頃に降りてきました。
 そして、私達が1時間、時間を間違いいていたことを伝えました。

部屋のテレビはNHKのBSが映るので、「7時のニュースです」という声を聞いて、すっかり7時と思い込んでいました。

 でもまぁ、1時間早く活動を始められるのは良いことだとポジティブに考え、ホテルを出ました。ホテルを出るとすぐ隣にマッサージ店があって、これまた変な日本語の看板になっていました。

今夜ここでマッサージを受けます。

サケ・マズ???

 MRTに乗り、景美という駅で降りました。3番出口から外に出ると、候さんが座って待っていてくれました。私は赤いアロハシャツを着ていると伝えていたので、候さんもすぐに私に気付いてくれました。握手をして名前を名乗り、「よろしくお願いします」と挨拶しました。

 妻は膝を痛めていたので、あまりハードな場所には行けないと言うと、これから行く牛伯伯胡蝶園はそんなに歩かなくても大丈夫とのことでした。昨日の電話で、今日はまず「牛爺さんの蝶園に行き、その後近くの山に入ろう」という打ち合わせになっていました。

 その前にお昼ご飯の調達。候さんは「すぐ近くに寿司屋があるから、そこで買っていこう」と言いました。以前、Fieldさんを案内した時もここで買い「Fieldさんもパクパク食べていた」と言っていました。

太巻きとおいなりさんの詰め合わせです。ゴボウが巻いてあるのを指差したのですが、候さんに「これはベジタリアンのだから、あなたはこっち」とそぼろが巻いてある方を選んでくれました。本当はゴボウを食べたかった・・・。夫はハム巻き。それと豆乳の飲み物も選んでくれました。全員の昼食代150元(450円)です。

 寿司屋と言っても握りを売っているのではなく、のり巻きみたいな感じで売っていました。それを買ってバスに乗り込み牛伯伯胡蝶園に向いました。私が行きたかった所のひとつです。

妻の

私の

この方が台湾で私達を案内しくれた候さん
(デジタルビデオカメラの動画より画像を取り込んでいます)

 バスで向う間も、バスから降りて少し歩いている間も、候さんは色々と台湾の事とか、近くにある植物のことなどを説明してくれます。日本語が上手で候さんが言っている事は完璧に理解できます。

 牛伯伯胡蝶園に到着しました。これから待ちに待った台湾の蝶との時間です!

 まずはこの胡蝶園(台湾ではチョウのことを胡蝶と書くらしい)を管理している牛爺さんにご挨拶です。
 本当は呂さんと言う名前らしいですが、誰かが「牛のように働く」と言った事から、自らも牛と名乗っているそうです。裸足で歩き回っていました。
 牛爺さんは握手をして私達を歓迎してくれました。挨拶しましたが「日本語忘れた」とか言っていました。

候さんと牛爺さんは友人らしく楽しそうに会話がはずんでいました。


このお方が牛爺さん。後ろは候さん。
(デジタルビデオカメラの動画より画像を取り込み、トリミングした画像です)

牛伯伯胡蝶園の動画(リンク先ページの1をクリックしてください)
※無断でのリンクです。問題がある場合削除するかもしれません。また、いつリンク先のページが無くなるかもわかりません。

 胡蝶園に入る前に牛爺さんが、チョウの幼虫を見せてくれて、候さんが解説してくれました。でも全部忘れてしまいました。

 ※今後登場する台湾の蝶、ほとんど名前がわかりません。適当に名前をつけたりして紹介します。

なんかの幼虫。角があるのでオオムラサキみたいな感じ。

でかい幼虫(動画)

 胡蝶園の中に入りました。たくさんの蝶が飛んでいて興奮します。

コミスジみたいな蝶

 胡蝶園の中にちょっとしたビニールハウスみたいのがあって、その中でもたくさんの蝶が飛んでいます。

???

??アゲハ

動画

タイやボルネオでも見たような蝶

なんかの蛹(多分アゲハ)

なんかの幼虫(多分アゲハ)

 ビニールハウスを出てもたくさんの蝶が乱舞しています。出発前に購入したマクロレンズを付けて撮影していますが、蝶が飛びまわるのでうまく使いこなせません。それで300mmの望遠レンズをつけたりマクロレンズに付け替えたりしながらの忙しい撮影になりました。妻にはデジタルビデオカメラを渡し、蝶の撮影をしてもらいましたが、妻も苦戦しているようです。

妻が撮影した動画

候さんと妻は池のほとりのベンチに座りお喋りしながら私が撮影を終えるのを待っています。でも私はそう簡単に撮影をやめる気にならず、「もうちょっと撮影していてもいい?」ってお願いして一人で歩き回りながら色々撮影しました。

夫が夢中で蝶を追いかけている間、ベンチに座りながら候さんといろいろ話しをしました。候さんは昭和6年生まれの78歳と言っていました。父とほぼ同年代。開口一番「お父さんと話しをしたかった。昔の暮らしや戦後のこととか。今度は両親を連れておいで」と。きっと父が行っていたら話が盛り上がっていたことでしょう。
息子さんのことやお孫さんの話しを聞かせてくれました。
私もあまり歩きたくなかったので、ベンチでひと休みが有り難かったです。


 ツマベニチョウがけっこう飛んでいて、撮影したかったのですが、全然止まりません。候さんに「ツマベニチョウは止まらないのですか?」と聞いたのですが、「蝶の名前わからない」と言われてしまいました。和名が分からないんだと思います。なので、「先っちょの赤い白い蝶」と言うと「あぁ、あれはなかなか止まらないよ」と教えてくれました。

ボルネオにもいたオレンジミスジ(仮名)
キミスジ??









タイワン何だか?

なんかの幼虫 凄い!



○○シロチョウ?

タイで見て感激したイシガケチョウ
こんなにいるとは・・・。

スギタニルリシジミ・・・じゃないよね?

ツマベニチョウ
この旅行ではこの1枚だけでした。

ツマベニチョウの飛翔(動画)
 
 私達の他にもお客さんが来ていて、子供達も多くギャーギャー走り回っています。蝶が止まってカメラを向け、ピントを合わせていると子供達が走り回って蝶が逃げます。だんだんイライラしてきて、子供に向って「シーッ!」ってやったらどこか他の場所に行ってくれました。
 汗もけっこうかいて、喉が渇いてきたなぁ〜と思ったら、候さんが缶ジュースを持って来てくれました。

 「牛爺さんが、わざわざ遠い北海道から来てくれたのでプレゼントしてくれたよ」って。凄く嬉しくてありがたかったです。牛爺さんからもらった缶ジュースを撮影したあと一気に飲んでしまいました。

 あと、候さんが自宅の庭?で採れたトマトをくれました。げっ、トマト苦手だぁ〜。でもせっかく持ってきてくれたので食べてみました。でもやっぱりトマトはトマト。一緒にバナナももらったので、トマトを口に入れてからバナナを食べて味をごまかしました。そんな私を見て妻は意地悪いにやけた顔で私を見ていました。

 妻はトマト好きなので美味しそうに食べていました。

本当の台湾バナナ。甘くておいしかったです。

 候さん、トマト嫌いでごめんなさい・・・。

蝶園は無料で開放しているので、収入源はジュースぐらいだと思います。それを貰ってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

牛爺さんがくれた缶ジュース。究極に甘いコーヒー。エネルギーが湧いてきた。

 だいぶ時間もたってきたし、本当は一日ここに居たかった気もしていたんだけど、次の場所にも行きたいので、この辺で牛爺さんの胡蝶園を去ることにしました。最後に牛爺さんにお礼を言い、「また来るので、それまで元気で頑張っていてください」と候さんに通訳してもらって、胡蝶園を後にしました。その直後、牛爺さんに大きな声で呼ばれました。

「キシタアゲハー!」って。

 見るとキシタアゲハが飛んでいるのが見えました。バンコクで見たのと同じ感じに見えました。でも撮影は出来ず、飛んでいってしまいました。

 今度こそ本当に牛爺さんに別れを告げ、次のポイントに向いました。

 胡蝶園から少し歩いてバスに乗りました。

 

バスの席に座る妻。手にはお寿司のお弁当。
バスは大抵一人15元(45円)安い。

 バスを降りてタクシーを拾い、亀山という地域のどこだかよくわからない山の上のほうまでタクシーで来ました。

タクシーの中の動画

かなりクネクネの細い舗装道路を登り、ある程度のところでタクシーを降りました。ここからタクシーが来た道を戻るような感じで蝶の撮影や採集をしようという事のようです。でもその前に腹ごしらえ!!

かなりの長距離をタクシーで移動しました。日本の感覚では5〜6千円はしそうです。どきどきしながらメーターを見ていたのですが、190元(570円)でした。

 ちょっとした場所に座り、お弁当を食べ始めましたが、そんな中でも蝶がたくさん飛んでいます。ふと目を横にやるとルリタテハが2頭止まっていました。

候さんは蝶を呼ぶためにパイナップルの皮を用意していて、周りに撒きました。辺りはパイナップルのちょっと発酵した匂いがしてクワガタになった気分です。

落ちた大きな葉っぱの上で汁?を吸っているルリタテハ

 Fieldさんは候さんの事を「やたらと気を使ってくるおじさんだ」と言っていましたが、候さんは私達のために色々な食べ物を持ってきてくれていました。バナナとか。

毎日ペットボトルにお茶も用意してくれました。これもとても良い香りで候さん曰く「スーパーの一番安いお茶」だそうです。

 候さんは「パイがあるから食べなさい」と言いました。パイ??アップルパイの事かな?と思いました。妻も「パイ??」って聞き返しています。
 「リュックに入っているから出して食べなさい」というので、リュックを探してみましたが、パイなんて入っていません。じれったくなった候さんは自分でリュックの中から出してくれました。でも出てきたのは・・・。

 プリン

 ????このプリンがパイなのか??

 何だかよくわかりませんでした。日本語ペラペラの候さんですが、多分間違ったんだと思います。3日間案内をしてもらってわからなかったのがこの「パイ」でした。でもパイというのはプリンのことだと理解すれば特に問題はありませんでした。

 それから、ちょっと疑問に思っていたことを尋ねました。

「候さんは3日間とも私達を案内してくれるんですか?」

と聞くと、候さんは

 「明日は近くの山に入り、あさっては天候も悪くなるみたいだから、午前中に台湾市内の動物園に行こう。そこには蝶がたくさんいる場所もあるから。そこを見学してから陳先生という人の昆虫の博物館みたいのがあるから、見学に行きましょう」

 と言ってくれました。
 今回の私達の台湾旅行の自由時間3日間、全て候さんが案内してくれるようです。私達のためにそこまでしてくれるなんて、とても申し訳ない気持ちになりましたがありがたかったです。

 腹ごしらえをして蝶の撮影をしながら採集をしながらビデオ撮影をしながらと、かなり忙しかったですが、アオスジアゲハも多いしツマベニチョウもたくさん見ました。でもアゲハやマダラ系はボロが多かったです。

 蝶の活性が高く、なかなか撮影はうまくできませんでした。

 候さんは網を持って大きな蝶を採集しています。私にくれるために。胸ポケットに新聞のチラシを小さく折ったものを持っていて、採集した蝶はそれに保管します。三角ケースを渡そうと思ったのですが、「こっちのほうがいいの」と言って胸ポケットのチラシに蝶を入れていました。

 タクシーで来た道を少しずつ降りながら歩きました。

ヒカゲ

 ちょっと面白いイチモンジチョウみたいのがいたので撮影しました。でもなかなか角度的にうまくいかなかったので、今度はビデオ撮影。そーっと撮影していたのですが、いきなり候さんの網がそのイチモンジチョウめがけて火を噴きました。「ガシャーッ!」って候さんがイチモンジチョウみたいのを採集しました。

その瞬間の動画

 
このあとビデオ撮影中に候さんに採集されたイチモンジチョウみたいの

 このポイントではどちらかというと写真撮影よりビデオカメラと採集がメインになりました。

動画

 気が付くと、下まで降りてきていました。これまでけっこう歩いて足が疲れてきましたが、妻の膝もなんとか大丈夫のようです。


 このあとどうするのかなと思ったら、来た道とは逆方面に進みだしました。
 候さんは色々とこの辺の地域のことなどを説明してくれながら歩きます。車がやっと1台通れる様な小さいトンネルを通って行くと、廟(びょう)と言う台湾の寺みたいな所があり、そこで一休みしました。

 この廟は近代的で、コンクリートを使うなど、日本のお寺ように宮大工が釘一本使わずに作るような伝統的な作り方ではないというような事を候さんが言っていました。

家族が何組か一休みしています。隣の家族はカセットガスコンロとやかん・急須や湯のみなどのお茶セットを用意してみんなで飲んでいました。うらやましい。

 この廟で一休みして、更に歩きました。この先にバス停があり、そこからバスに乗って街まで戻る計画のようです。普段、そんなに歩くことも無いので、かなり足が疲れていましたが、歩いて歩いて、ようやくバス停の近くまで来ました。

歩きながら撮影した動画(水遊びする家族?)

 その時!

 後からバスが来て、そのまま行ってしまいました。あぁ〜!!

 ガーン、このバスが行っちゃったらあと2時間位来ないんだって!どうする??
 バス停の近くの店で候さんがなにやら尋ねています。
 その間、私達はどうすることも出来ないので座って一休み。

 候さんが戻ってきました。「次のバス停まで数十分歩こう」ということになりました。
 次のバス停まで行けば頻繁にバスが通っているそうです。

 かなり足が疲れていましたが、こういうトラブル位なら大したことありません。スリにあったとか、強盗にあったとか、そういう事ではないですから。

 歩き出してすぐに小学校みたいのがあって子供達が遊んでいます。そこに一台のタクシーが止まっているのを見つけました。このタクシーに乗れば帰れると思ったのですが、運転手がいません。その辺を探してみたのですが運転手が見つからずに諦めてまた歩き出しました。

 そしたらすぐに歩いている方向からタクシーが来ました。慌てて手を挙げてタクシーを止めようとしましたが、お客さんが乗っていました。あー残念と思ったらタクシーが止まり、「今、お客さんをおろしたら戻ってくる」という事になりました。やった〜!!

 少し待つとタクシーが戻ってきたのでそれに乗り込み、バス停まで行きました。
 しばらく走り、「ここが目指していたバス停」と候さんに教えてもらいましたが、実際歩いたら1時間以上はかかったなという距離。タクシーが見つかって良かった〜。

もう足の裏はジンジンしています。候さんも「普段こんなに歩かないから疲れた」と言っていました。

 ここでバスに乗り換えました。候さんは途中で降りるそうです。

候さんと話しをしている中で、「行天宮」という三国志の関羽を祀る廟を見学したいと何気なく話したところ、その「行天宮」前に止まるバスに乗せてくれて、運転手にも私達をそこで降ろすよう伝えてくれました。ホテルからも近かったので帰りの道筋まで教えてくれました。

 候さんと明日の打ち合わせをしました。今日と同じ景美の駅で待ち合わせすることになりました。
 ほどなくしてバスが来ました。そしてバスに乗り込み、途中で候さんと「また明日お願いします」とお別れしました。

 バスは私達が朝に乗ったMRTの駅近くまで行くようで、かなりの時間乗りました。途中で眠ってしまいました。距離が長かったので一人30元でした。それでも安い。

 このあと、候さんが勧めてくれたお寺を見学に行く事になります。

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